よくあるご質問 −ロボット支援手術−

【手術前】に関するご質問

ロボット支援手術は誰でも受けられますか?


人工膝関節置換術を目的とした、ロボット支援手術には公的医療保険の適応が認められており、

手術を勧められた方や希望する方であれば、医師の判断のもと受けられます。

 

中等度以上の関節症や関節炎、軟骨欠損を指摘された方

過去に人工関節手術をすすめられた方

 

詳細は《予約・相談センター》へお問い合わせください。


膝の人工関節を受ける予定ですが、どのくらいの入院になりますか?


当院では、日常生活へ復帰するリハビリを含めた標準的な入院期間を約2週間に設定しています。

 

手術前に膝周囲の筋力が十分保たれている方は、1週間程度で退院することも可能です。

 

筋力の衰えや関節の動きが極端に悪くなっている方、さらに積極的なリハビリを希望される方は入院期間を延長(約1ヶ月)することも可能です。


 術後の疼痛や患部の腫れを可能な限り抑える手術手技はもちろんのこと、術中カクテル注射などを用いた多角的な疼痛管理に取り組んでいます。

 

詳細は、外来スケジュールの関節治療センター担当医を直接受診(問診票へ「ロボット支援手術を希望」と記載)していただくか、《予約・相談センター》または病院代表(☎︎)へお問い合わせください。

担当医の外来をご案内いたします。

関節治療センター【予約・相談センター】   04-7199-3787  

(☎ 受付時間:平日 9:00〜17:00、土曜 9:00〜12:00)  


人工膝関節の手術を検討していますが、輸血に頼らない自己血(じこけつ)は可能ですか?


はい、可能です。

 

しかし当院では、ほとんどの方で自己血・輸血が必要無くなっています。

(※ 重度変形例や人工関節の再置換例など一部の方を除く。)


【手術中】に関するご質問

ロボットが手術するのでしょうか?


この手術支援ロボットが勝手に動作することはありません。

 

執刀医の判断と操作のもとで動作し、手術操作(磨耗して変形した関節面の切除と人工関節インプラントの設置調整)を正確かつ安全にサポートします。

 

急激な動きや異変を感知した場合、自動的に停止します。 


安全性、衛生面はどうでしょうか?


ロボット支援による人工関節手術は、ZimmerBiomet社が定めた特別なトレーニングを修了し、認定資格を取得した医師が執刀します。

先端技術を搭載したロボットのサポートによって、より安全で正確なインプラントの設置が可能と報告されています。手術アシスタントとなる手術支援ロボット「ロザ・ニー」は、専用のカメラと光学トラッカーを利用して、治療する膝の位置を正確に把握し、コンマミリ(0.5度、0.5mm刻み)での調整が可能です。

 

衛生面についてですが、本体は滅菌カバーで覆われており、患者さんの体に触れる部分は完全に滅菌された機器を使用するため、衛生面には十分に配慮されているため問題はありません。 


停電になった場合、大丈夫でしょうか?


ロボット支援手術の最中に停電になっても、支障なく手術を継続可能です。

 

当院には非常用電源・発電装置が備えられており、停電と同時に供給電源が切り替わります。さらに手術室は優先的に非常用電源でバックアップされるため問題ありません。

 

当院では、手術に関わるスタッフは緊急時にも対応できるように訓練を積み、安全管理の徹底が図られています。


【手術後】に関するご質問

ロボット支援手術では人工関節は長持ちしますか?


人工関節の長期成績とインプラントの適切な設置との間には相関があるとされています。

ロボット支援手術は、臨床的な長期的(15年以上)の研究結果についてはまだ明らかではありませんが、これまでよりも正確かつ適切なインプラント設置が可能となるため、従来の方法と比べて手術後の満足度や長期成績が向上すると期待されています。


人工関節手術に関するご質問

すべての手術をロボットが行うのですか?


いいえ。

 

ロボット支援手術には、これまでの外科医だけで行う手術と比べ、非常に多くのメリットがあります。

 

しかし、再置換術(緩みや骨折を合併した方)などの特殊な人工関節手術では、このロボットを使用しない場合があります。ロボット支援手術は大変優れた革新的な医療技術ですが、全てが解決されたわけではありません。外科医に必要とされる手術野の展開、出血への対処などは従来通り重要な手術手技となります。


当院では最小侵襲手術に積極的に取り組んでいます。

 

患者さんの負担を最小限にするため、ロボット以外の最新医療機器を使用して組織の損傷と出血との低減に取り組んでいます。

 

※ 当院では、手術後の深部静脈血栓症と肺塞栓予防のため、手術後に血液をサラサラにする薬を使用します。そのため、手術後に患部の腫れや熱感が出現する可能性があります。

【 当院における人工膝関節治療・低侵襲化への取り組み 】

 ・ 手術前・手術終了時における止血剤の投与

 ・ 駆血帯(脚を血止めの輪で縛る)の使用を最小限に抑えることで、随時、出血点を確認

 ・ 高周波エネルギーと冷却機能とを有するアクアマンティスバイポーラーによる速やかな止血

 

これらの手技により、軟部組織(筋肉や筋膜)の機械的・熱損傷を最小化し、

手術による出血だけでなく、手術後の患部の腫れや“痛み”が減少します

【 アクアマンティスについて 】

 

高周波エネルギーと生理食塩水を組み合わせて、冷却しながら軟部組織と骨組織の止血を行う最新医療機器。

 

 

メリット

・ 人工関節置換術における失血量の減少と輸血頻度の低下1, 2

・ 人工関節置換術における血腫発生率の減少3

術後痛や患部の腫れの発生率が減少する4

入院期間短縮3

1      Marulanda GA, Ulrich SD, Seyler TM, Delanois RE, Mont MA. Reductions in blood loss with a bipolar sealer in total hip arthroplasty. Expert Rev Med Devices. 2008;5(2):125-131.

2      Clement RC, Kamath AF, Derman PB, et al. Bipolar sealing in revision total hip arthroplasty for infection: efficacy and cost analysis. J Arthroplasty 2012;27(7):1376-1381.

3      Ackerman SJ, Tapia CI, Baik R, Pivec R, Mont MA. Use of a bipolar sealer in total hip arthroplasty: medical resource use and costs using a hospital administrative database. Orthopedics 2014;37(5):e472-481.

 

4      Rosenberg AG. Reducing blood loss in total joint surgery with a saline-coupled bipolar sealing technology. J Arthroplasty 2007;22(4 Suppl 1):82-85.


手術費用はいくらくらいかかりますか?


通常手術の費用に加え、ロボット手術加算(2千点:2万円)分のご負担となります。

 

ただし、人工関節手術は高額療養費制度の対象となるため、一定の自己負担額を超えた分は払い戻されます。自己負担分は、概算で70歳未満で10-20万前後、70歳以上で10万前後となります。

(※ 食事代などの自己負担分は、高額療養費の助成対象にはなりません。また、年齢や所得、入院期間などで変動しますので、詳しくは病院窓口までご相談下さい。)

 

詳細は、以下のサイト(人工関節ドットコム)をご参照下さい。

 

《 治療費シミュレーション 》

https://www.jinko-kansetsu.com/sim/index.html (外部サイト)